家政婦のメイド派遣します!
桃子が直樹の出ていったドアを見つめているといつの間にか祐樹が近寄ってきてそっと彼女を後ろから抱き締めた。

「ん……完全にすねちゃったね。」

祐樹は桃子の耳元でクスクスと笑いながら彼女の細い指に自分の指を絡ませた。

彼の息遣いが耳を刺激して桃子の顔はほんのり火照っていく。

「直樹とね、ちょっとした約束をしたんだよ。」

「え?」

桃子は祐樹の方に振り向きたいのだ彼が抱きついたまま離してくれない。

「先に桃子を笑わせた方が、昨日の『消毒』をするって話。」

とたんに桃子を拘束する腕に力がこもる。

「ちょ、ちょっと……祐樹さん?」

彼女は自体が飲みこめず慌てて祐樹の拘束から逃れようと身体を動かすが、時は既に遅かった。
< 22 / 101 >

この作品をシェア

pagetop