家政婦のメイド派遣します!
それまでじっと彼女を見つめていただけだった祐樹が口を開く。

「正志さんと話したんでしょう?」

いつもと変わらぬ祐樹の優しい声に桃子の頬に一筋涙がこぼれた。



「わからないって…そんな事考えた事もなかったから。」



本当はずっと考えていた。

いつか2人のお嫁さんになると。

それこそ子供のころからの桃子の夢だったのだ。

でも、大人になるにつれてそれは不可能な事だと理解してそれからはいつの間にか考えないようになっていた。

彼らの1人を選んでもう1人を傷つける事になる夢なんて。

……考えたくもなかった。



「じゃあ、考えてください。」




祐樹の言葉に桃子は思わず彼を凝視した。

そこには祐樹と直樹の怖いくらい真剣な眼差しがあった。

「桃子、私達のどちらかに見合いの話が来ています。いつもは断るのですが今回は受ける事になりそうです。」
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