家政婦のメイド派遣します!
「じゃあ、彼らが来る前に桃子はこれからどうしたいのか教えて?」

部屋着に着替えた彼女は祐樹達が来る前に話があると言われて再びソファに向かい合って座っていた。

それは桃子の中でずっと結論が出ていなかった事。

彼女だって知りたかった。

「わからないの…祐樹さんも直樹も大切だから。」

黙って穏やかに見つめてくる兄に向かって桃子はゆっくりと口を開いた。

「祐樹さんと結婚するとか、直樹と結婚してとか…考えた事なくて。どっちか選ぶなんてできないの。」

この数日ずっと考えていた事だがやはり結論は出なかった。

どれだけ考えても、自分の隣に彼らのどちらかしかいない未来は考えられなかった。

「そこには俺と一緒にフランスに行くっていう選択肢は入ってないんだ。」

蒼が少しさびしそうに笑った。

「あ……ごめんなさい。」

桃子は事の始まりが家族でフランスに住むという事件から始まっていたのをすっかり忘れてしまっていた。
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