家政婦のメイド派遣します!
「どうせ、お兄ちゃんが2人を苛めたから帰っちゃたんでしょ?」

桃子はわざとらしく蒼を睨みつけた。

「人聞き悪いな、年上の兄として少し説教をしただけだぞ。まあ、アイツらには少し応えたみたいだがな。」

帰り際の悔しそうな2人の顔を思いだして蒼はくっくっと小さく笑った。

あの後、桃子がいつまで経っても苦しんでいる場合はフランスへ連れていくと言ってやったら2人に凄い形相で睨まれた。

きっと彼らは今頃これからの事について2人で考えているに違いない。

どんな結論に達するにしろ、桃子が幸せならそれでいい。

蒼は煙草を灰皿に押し付けると桃子の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

「さあ、俺はもう少しやる事があるからお前の相手はこれで、おしまい。」

蒼は桃子をリビングに残して自室へと戻っていった。
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