テレビの中の、人。

9


「・・・・なんで?・・・・サックンが?・・・」



「気がついた?よかった・・・。」

「店で、倒れたんだよ。」



「・・・・・・。」

思い出す。




!!!ー

「はっ!」

「サックン大丈夫?!」

起き上がろうとする私を、


「大丈夫、寝てて。」


優しく、肩を掴んで、寝かせた。




「こんなに熱があるのに・・・。なんで店出たん?」


「だって、サックンくるから・・・。」



「ルミネだって・・・、無理して来なくても・・・。」


「だって、サックン見たいから・・・。」




しばらく、あたしをじっと見た。




「なんであたし、ここに?・・・。なんでサックンが?・・・。」


「倒れてすぐ、抱えてタクシーに乗った。」





「救急車とか、何とか・・・、みんな言ってたけど。」

「俺が、・・・連れて帰るって、・・・。半分無理やり連れて来た。」




「ごめんな。」





「ううん!嬉しい!・・・そっちのが、嬉しい!・・・。」




「後で、ミズキちゃんに電話してあげて。すごく心配してた。」



「それと・・・、あのオヤジ、りえちゃんが倒れてから、我に帰ったみたいで、みんな
にひたすら謝ってた。・・・りえちゃんにも、悪いって、言っといてくれって。」



「そう・・・。」




「サックンのお陰だね、全部・・・。」







「・・・なんであの時、助けてくれたの?」







「分からない・・・。けど、咄嗟に、ああしてた。」


「りえちゃんが触られてるの見たら、無性に、腹が立った。」




「いつも、ああやって、触られたりするの?」


「あぁ、たまにね。」

「仕事柄、仕方ないよ。・・・あんなに酷いのは初めてだけど。」




サックンは、

じっとあたしを見た。


ちょっと、悲しい顔で・・・。
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