テレビの中の、人。

11



それから、二人はー


抱きあって眠った・・・。




サックンは、キス以上のことは、

して来なかった。


熱が上がるといけないからと、


氷枕をし、おでこを冷やしてくれた。



「移っちゃったかな?・・・、キス、したから」

「大丈夫だよ、・・・芸人は、免疫力が強い。」



「プッ!・・・なにそれ!」

「アハハ!」





サックンに、腕枕されて・・・、

他愛もないことで、笑いあって、



サックンの温もりに、包まれながら・・・

眠った、夜。





翌朝、早くに

サックンは帰って行った。


朝一の新幹線で、東京に戻り、仕事がある。




帰り際の約束に、

これからは、なるべく人目につかないように会うこと。

金沢に来た時には、連絡を取り合い、会おうということ。

仕事柄、普通の付き合いとは、少し違った形になることを、理解するということ。




そんなことを、お互いで話し、



「あんまり、触られんじゃねえぞ。」

ちょっと、照れくさそうに、そう言った。





さっきまで、サックンがいたこの部屋で、


思い出しては、ニヤけてばかり。





一夜にして、夢が叶った。


まだ、熱が残ってる体を、

ベッドで休めた。





心配していたという、ミズキに電話した。




「りえ!?大丈夫!?」

「大丈夫だよ!もう、だいぶ熱も下がったから、ありがとね!」



昨日、あれからの、一部始終を話した。





「マジか!!!やったじゃん!!!」

ミズキはすごく、喜んでくれた。




「これでうちら、二人とも・・・」





「金沢の女だね!」








「・・・金沢の女?」


「うん!タイチが言ってた、ミズキは金沢の女だって!」


「えぇ~、なんか意味深だなあ…。」


「いいの、いいの!」


ミズキは、あっけらかんとしてた。








こうして、

タイチは、ミズキと、

あたしは、サックンと・・・、


4人は

付き合うことになった。



波乱万丈の、幕開けだった・・・。


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