声を聴かせて。
「……お前……何言って…」
驚いた表情で私を見る。
「…見たんです。
2ヶ月くらい前に、チーフが綺麗な女の人と一緒に居るとこ…。
一目で、チーフの“特別な女性”だって、分かりました」
あの日…
街中で見つけたチーフの姿に胸が高鳴った次の瞬間…
その隣に、女の人が居ることに愕然とした。
私はその場から動けなくなった。
結婚してないとは知っていたけれど、
恋人がいるのかは、同僚さえも知らなかった。
仕事一筋で、あんな性格だからきっと独り身だろう。
早く結婚すれば良いのに。
チーフ、モテるんだからさ。
同僚が笑いながら、そう話してるのを耳にしたことがある。
恋人がいたっておかしくはないけれど、
あんな…
あんな、優しい目をする彼を見て…
私の中で、何かが崩れた。
その頃からだ。
私は、彼のことが好きなんだと…
彼がどうしようもなく“欲しい”のだと、思うようになったのは。
「…すごく綺麗な方でしたよね。
あんな素敵な彼女さんがいるのに、
チーフは他の女と、こんなこと出来ちゃうんですね」
「お、お前…」
彼の下に、私は手を伸ばした。
少し揉んだだけで、手の中でどんどん熱くなるのが分かった。
「おっ、おい…」
驚いた拍子に、彼が後ろに倒れこむ。
私は彼の身体を抑え込むように、その上に跨った。