ブルーブラック2

「その··椿くんと義兄さんて仲良いんですか?」
「え?まぁ、悪くはないと思うよ」


百合香がいなくなってすぐに、隼人の表情が変わって“義兄さん”の話を始めた。
椿は釈然としないまま隼人の声に耳を傾ける。


「椿くんはさ、もし、お姉さんが会社で男に狙われてるとしたらどうする?」


突拍子もない話に、さすがの椿も驚いて口に含もうとしたビールを吹き出しそうになった。


「はぁ?!会社で?!!」
「や、“もし”だよ?椿くん百合お姉さんのことすごく大事にしてるの知ってるから··どうなのかなぁと」
「···まぁー心配だな···前までは」


隼人は想像していた返答と違うものが返ってきて驚いた顔をして椿を見た。


「今はいい旦那サンがいるからな」



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