ブルーブラック2

3.愛情表現



「ごめんね、私はそろそろ」


そう言って百合香が財布を取り出しながら席を立った。


「ああ、姉ちゃんいいよ」
「そうですよーいいですいいです」
「そう言って、隼人もオレに奢られるんだろう?」
「あははーばれてました?」


百合香は、『悪いから』と椿にお金を差し出すが、椿はそれを受け取らずに付き返す。
そしてしぶしぶ今回は御馳走になるということで話はまとまった。


「もう、椿ったら、頑固者!」
「姉ちゃんもだろ」
「···ふふっ。じゃあ、帰り気をつけてね」
「ああ。義兄さんによろしく」


明日は休日の隼人にも『じゃあ明後日』と言って百合香は店を後にした。
テーブルには椿と隼人の2人になった。

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