ブルーブラック2
「うん。一応出来ました。ここに試しに書いてみて下さい」
金山が一本の万年筆にインクを浸して女性に手渡す。
女性はそれを受け取ると差し出された便箋にさらさらと文字を書き始めた。
「····素敵!」
少しの沈黙が百合香は怖かったがその後の女性の反応に心から安堵と喜びを感じた。
「明るいロイヤルブルーは普段売っているのは知っていましたけどこういう少し水っぽいというか、透けるような、でも確かに描ける色っていうのがなくて···ありがとうございます!」
金山も百合香同様、ホッとしたのか背もたれに体を預けて表情を緩ませた。
「良かったです。インク名は決められました?」
「は、恥ずかしいんですが···」
「あなただけのインクなんだから恥ずかしくてもいいじゃないですか」
笑いながら金山が女性にそういうと女性は『そうですよね』とインク名を金山にそっと伝えた。