ブルーブラック2


「ああっ百合香!!」


その声は5階の女子トイレから聞こえた。


「桜井さん!お疲れ様です」
「お疲れ様···って百合香なに?今休憩終わったの?」
「えぇ。やっと一段落着いたので…でももうすぐ戻らないと」
「ほんと忙しいのね万年筆のイベントは」


時刻は15時過ぎ。
百合香にとってはお昼の休憩だったが綾は2回目の休憩だ。

二人で鏡に姿を映し、身だしなみをチェックしながら会話を続ける。
綾は先程江川と話をしていたことを思い出して鏡越しに百合香の胸ポケットを見ようとした。


「桜井さん。すみません、お先に戻りますね!」
「百合香顔色悪くない?」
「···二日目で」


背を向けられて胸ポケットははっきりと確認できなかったが、綾はそれよりも顔色が優れない百合香の顔が気になってしまう。

百合香は軽くお腹を抑えて『薬飲みましたから』と笑顔で女子トイレを後にした。

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