ブルーブラック2
「まどかさん!」
「あ!百合香ちゃ~ん!ほら、朱里、百合香お姉ちゃんだよ」


まどかは写真撮影の列からは外れて少し人が少ないスペースに身を寄せていた。

まどかに抱かれている朱里はピンクのジャンパースカートにスパッツを合わせていてとても女の子らしい服装に百合香は溜め息が出た。


「朱里ちゃん···かわいい~!!」
「あはは、ありがとう。朱里、ありがとうは?」
「あっとー」


見た目も去ることながら、そんな声も言葉も、少し首を傾ける仕草も全部が可愛くて百合香はきゅんとして目尻が下がりっぱなしになるのだった。


「ああ、写真はいいんですか?」
「うーん。朱里もまだそこまでわかんないし。何より中身を知っちゃってるしね」


笑いながらまどかが言うことに百合香も思わず納得して頷いてしまった。


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