ブルーブラック2
「休憩ってどこでするんですか」
「ああ、事務所の奥よ。ロッカー室の手前。通ってきたでしょ?」


殺気立っている坂谷を気にも留めずに、隼人はすぐに切り替えて再び百合香に話しかける。
そんな隼人がまたさらに腹立たしい坂谷は、無言の圧力を全開にし、隼人を目の前から追いやった。


「神野さん、知り合いなんだって?」
「あ、はい。弟の後輩で··」
「弟の後輩なのにあんなに懐いてるの?」
「しょっちゅう家に来てたんですよ」


隼人との関係をさっくりと説明しながら百合香がホワイトボードをチェックするとメモが貼らさっていた。

そのメモは二つに折り曲げられていて中身を見ることが出来なくなっていた。

そういうメモの貼り方は珍しいことではなくて、縦長の用紙だと幅を取ってしまったり、お客様の個人情報の内容の伝言などだと周囲に見られてはマズイので敢えてそういう風にメモを残したりする。

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