ブルーブラック2
最終章

1.クリスマスの夜



あれから数か月―――


11月の末ともなると、今度はクリスマスシーズンに向けて再び弐國堂も忙しさを増してくる。


「百合お姉さん!」


一息ついたときにショーケースの後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきて百合香は振り向いた。


「隼人くん!と、椿?!」


ショーケースを挟んだ向こうに立っていたのは私服の隼人と椿だった。


「え?どうしたの?二人で」
「これからちょっと飲みに」
「あ、あー・・・そっか。二人ともお休みかぁ」


その日は土曜日。
椿は元から土日が休日だった。
そして―――


「隼人くんも営業だから休みだもんね」
「はい!土日はしっかり休みです!」


隼人はあれから正式に配属された先は本社の営業。
故に、同じ都内にいて、土日が休みの椿とはスケジュールがばっちりと合うのだった。





< 329 / 388 >

この作品をシェア

pagetop