ブルーブラック2
【今日は定時で上がるから、いつものところで。】


相変わらずのインクの色と、綺麗な文字。


(一体いつの間に···あ。)


百合香はさっき階段の踊り場で会った時のことを思い出して、あの時にこのメモを残して行ったんだと確信した。

いつでも会える人なのに、たまにこうやって一言でもメモをくれるというのはなんだかとても嬉しいものだ。

結婚している筈なのに、どこか秘密めいた、ドキドキとさせるシチュエーションにも似ていて未だに片想いの感覚にも陥ってしまう。


「よし」


そんな小さな“ラブレター”を受け取った百合香は俄然やる気になって午後の仕事に手をつけ始めた。


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