ブルーブラック2

「はい。メリークリスマス」


すっとスマートに出された手には白い箱に赤いリボンが掛かっていた。


「あ、ありがとうございます…!」


今までいつもそう。
智は百合香が気付かないうちにこうやってなんでも用意してくれていた。
今回もそんな素振りに全く気付かなかった百合香は、やはり驚きと嬉しさとがこみ上げる。


「なんですか?」
「開けてみたらいいのに」


そしていつでも、まるで初めてのプレゼントのような反応を見せる百合香が智は可笑しくて、楽しそうに笑ってそう言った。

真紅のリボンにそっと手を掛けて引こうとした時に百合香は手を止めた。


「…あ」
「なに?」
「ちょっと待ってて下さい!」


百合香はそう言って受け取った小箱をそっとテーブルに置くと、智に背を向けて棚へと向かった。
そしてすぐにそこから引き返してくる。

手元は背中に隠すように。


「…私からも、その……メリー、クリスマス…」


照れながらそう小声で言い、後ろに回していた手を智へ差し出す。
そんな百合香を見上げて、智はにっこりと微笑む。
そして百合香を抱きしめた。


「ありがとう」






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