ブルーブラック2
すると全員が興味津々で前方の2人を気にする。
その男女は特に緊張している素振りも見せずに、智に呼ばれて一歩前に出た。


「斉藤隼人《さいとうはやと》です。よろしくお願いします」
「生田美咲《いくたみさき》です。よろしくお願いします」


2人はそれぞれ自己紹介をすると軽く頭を下げた。

生田美咲という女の子は、今にもいい香りがしそうな可愛い女の子。
万年筆とかそういうものよりはどっちかというとキャラクター商品がお似合いな気がする。

そして斉藤隼人は背丈はそれなりにあって、黒髪短髪の爽やかタイプ。
肌が少し焼けているところを見るとスポーツかなにか趣味があるのだろう。
筋肉が付いている体つきはワイシャツからわかる位で女子にこれまたモテそうだ。


「ローテーションで各フロアに入れるから。まずは斉藤くんは2階で生田さんは1階ね」


智がそういって朝礼を締めると、百合香は隼人から目が離せなくなっていた。
というより、向こうが視線を逸らさないのだ。


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