ブルーブラック２
（え？···何？なんだろう）


百合香はその視線が何を訴えているものなのかわからなくて、ただその視線に応えるように見つめ返していた。

バラバラと周りが仕事に戻っている中で、動かない百合香に気が付いたのは智と綾の2人。

智は何をしているのかと百合香の視線をたどるが、行きつく先が自分の横の隼人だとわかると妙に胸がざわついた。

しかし、店長という立場、そして職場という場所で百合香には必要以上に接触しないよう、智は心掛けていた。

それは、自分の気持ちを自制させる手段のひとつでもあったのだ。


「百合香？どうしたの？」


そんな智の想いも知らずに綾が百合香に話しかける。
百合香はその綾の問いかけでようやく隼人からの視線に解放されたのだ。


「いえ、なんでも···」


そう百合香が綾に答えた時だった。
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