ブルーブラック2
『百合香は研修生二人とは距離を保っておけばいいから』

『距離って··』

『いや、普通に仕事をすればいいってことだよ』




昨夜、そんなことを智に言われた。

その意はただ自分が隼人に必要以上に近づくなという警告と、美咲のことは心配することはないということなんだろうなと、百合香は思って仕事に臨んだ。



(あ、やっぱりかわいい)


智の言うとおり気にせずにいつもどおりに過ごしている百合香はまたもや1階を覗きに行った。

そこには昨日に引き続き、江川扮する“くーちゃん”が健在していた。

階段の踊り場で、ひとりなのについ声を漏らして笑ってしまう。
そんなときに背後からまた気配がして百合香は期待をして振り向いた。

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