ブルーブラック2
「これは···オレンジ?よりちょっと黄色がかったような···」
「それは“夕焼け”かな。呼称は仮だけど」
「隣のは、赤っぽい」
「“茜”だな」
ひとつひとつ箱から出して少し蛍光灯に透かすように瓶を傾けて色を見る。
百合香の言葉に智は丁寧に答える。
そして最後の一つを手にとって百合香が同じように色を見る。
「黒···じゃないブルーブラックみたい」
「···それは“群青”」
「書いてみたい··!」
「そういうと思った」
ほら。と智が胸の万年筆“桜”を百合香に手渡した。
「え?まさか··」
「インク、その“群青”入れてあるから書いてみたら」
「え?本当に?」
「嘘だと思うなら尚更書いてみたらいい」
「だって··3つある中でどうしてこの色ってわかったの?」
「―――大体わかるよ。君のことなら」
周りに社員がいるのに平気でそういうことを言う。
勿論小声だから聞かれてなどいないのだけど。
「それは“夕焼け”かな。呼称は仮だけど」
「隣のは、赤っぽい」
「“茜”だな」
ひとつひとつ箱から出して少し蛍光灯に透かすように瓶を傾けて色を見る。
百合香の言葉に智は丁寧に答える。
そして最後の一つを手にとって百合香が同じように色を見る。
「黒···じゃないブルーブラックみたい」
「···それは“群青”」
「書いてみたい··!」
「そういうと思った」
ほら。と智が胸の万年筆“桜”を百合香に手渡した。
「え?まさか··」
「インク、その“群青”入れてあるから書いてみたら」
「え?本当に?」
「嘘だと思うなら尚更書いてみたらいい」
「だって··3つある中でどうしてこの色ってわかったの?」
「―――大体わかるよ。君のことなら」
周りに社員がいるのに平気でそういうことを言う。
勿論小声だから聞かれてなどいないのだけど。