ブルーブラック2


「今日は、都合で富田さんと坂谷さんがお休みだから何かあれば私に報告してね···自信ないけど」


照れながら苦笑する百合香はバイトの長谷川と湯川、そして研修生の隼人に向かって手短にそういうと仕事に戻った。


「今日は社員がゆ···神野さんだけなんですね」
「うん~そうなんだよね。やっぱりちょっと気ィ張っちゃうな··あ。でも柳瀬さんもいるから大丈夫だけど」


隼人が皆散り散りになった後すぐ百合香の元に行ってそういうと穏やかな顔で答える百合香がなんだかもやもやとした気持ちになってしまう。


「柳瀬店長って、そんなに凄い人?」
「凄い···かなぁ?なんかこう、頼りになる上司っていう感じ」


百合香にすれば自分の夫を人に褒めて話をするなんて恥ずかしくてたまらないが、それが本心だと思って正直に隼人にそう言った。
そんな照れて頬を薄ら赤らめる百合香を見てますます隼人は何か自分の中でじりじりと感じる。


「―――そうなんですか···モテるんですね、店長って」
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