狂おしいほど。

『……聞いてる?』

「えっと、ごめん」

私の返事に彼は溜息をひとつ落とすと、

「15分後に駐車場」

だけ言って、電話を切った。

勝手な言葉
だけど、
苦しい位に胸がドキドキする。
そんな言葉。

逸る気持ちを抑え、指定された場所へと急ぐ。
駐車場の端に見慣れた車。
駆け寄り、助手席のドアを開ける。

中から漂う、彼の香り。

ドキドキするけれど、
安心できる香り。

< 2 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop