オークションの悪戯-イタズラ-

キスしましたよ。

「…ってーな!」

体がビクッと震える。

頬を抑えて睨まれる。

「ごめ…なさ…っ」

怖くて俯く。

「出て行きたければ出て行けばいい」

もう暁人さんの顔が見れない。

「俺はもうお前なんて必要ない」

「もう…出て行きます」

「ああ、出てけ。顔なんて見たくない」

あーあ、言われちゃった。

「伊原さんと…お幸せに」

ロックを開けてくれて私は出て行く。

「どうしたんですか、憂子」

神田さんが私に声をかける。
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