赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「……っ!」

打ち所が悪かったのか、言葉を発する間もなくキサラの意識は遠のいていく。

薄れる意識の中、ドアの前で立ち尽くしているジュークを見て思う。


(ああ……何であたしって、こういうときにキマらないのかしら……)

格好良く自分の意思を伝えたいのに、そんなときに限って不運は必ず訪れる。

諦めにも似た気持ちを味わいながら、キサラの意識は途切れた。


 
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