赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「あら? あれは……」

「え? 何ですか?」

少し息切れしながら、キサラも窓に近付いた。


下の方を見ていたセラの視線を追うと、馬車が見える。


「ジューク様は、今日も娼館へ行くのですね」

「ええっ!?」

聞き捨てならない言葉にキサラは大声を出した。


ジュークがこの位の時間に外に出るのは、街の娘の血を飲みに行くからではないのか。
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