赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「え? ええ」

状況が理解出来ていないのか、メルリナは疑問符を浮かべながらキサラから離れる。

そしてテーブルが倒れているのと、セラがポットとティーカップを持っているのを見て何があったのか理解したようだ。


「ああ、私を庇ってくれたのね。有難う、キサラ」

そう言って心からの優しい笑みを浮かべたメルリナに、キサラはドキッとした。

誰かにこんな微笑みを向けられたのは何年ぶりだろうか。
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