赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「セラも有難う。でもそんなに速く動けるなら、さっきキサラがワインを被ったときも助けられたでしょうに」

少し非難するようなメルリナの言葉に、キサラも確かにと思う。


あの時は今よりもっと近くにいたのだ。助けられなかった訳がない。

なのにセラは眉一つ変えず、しれっと言い放った。


「今のは奥様も危なかったからですわ。キサラ様だけならば絶対に助けません」

(酷い)

瞬間そう思ったが、続いた言葉に何か意味深いものを感じる。
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