赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
その者は当主の娘にこう持ち掛けた。

『マクスウェル伯爵家の存続と繁栄を約束しよう。その代わり、お前は私のものとなれ』

と。


そこまで話すと、何故かメルリナはクスリと笑った。

「その吸血鬼、偉ぶってそんなことを言っていたけれど、結局のところは当主の娘に一目惚れしただけらしいわ」

「そうなんですか……」


キサラは相づちを打ちながらその様子を想像してみる。

確かにメルリナの様にクスリと笑ってしまう光景だ。
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