君の声がききたい
意地悪な笑みを浮かべてそう言うと、沙和は顔を赤くして、さっきと同じところを思いっきり叩いてきた。



「〜〜〜〜」


急いでルームウエアを着る沙和。

俺は叩かれた腕を手でさする。




――『なぁ…本番はさ・・俺んちでヤんね?』

――『…奏んち?』

「そう」

――『い、いいけど…』

――『そん時‥俺んちに泊まれば?』

「………!」


沙和は頬を赤くしながら、笑って頷いた。

俺は沙和の腰回りを抱きしめ、沙和のおでこに自分おでこをくっつける。



――『あ、でもダメか。モカとココアどうすんだ?』


家空けるのはマズいか(汗)




――『大丈夫…近くに親戚のおばさんが住んでて、旅行とか家空ける時は、モカたち預かってくれるから…』

「そっか。じゃあ心配ないな」


コクリと頷く沙和。




――『“俺んち来いよ”って言ったら、イコール“ヤる”っことだから覚えといて』

「・・・・っ」


沙和は呆れる顔をしながら、顔を赤くする。

俺はそんな沙和に、キスをした…




「これでいいんだろ?」

「……!」

――『これで…不安になんないだろ?』

「・・・!」


恥ずかしそうに笑って、頷く沙和。
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