君の声がききたい
――『明日さ…大学サボってどっか行こっか』

「……!」

――『俺、結構マジメに行ってるから…日数足りてるし。お前は?』

――『私も全然大丈夫!』

――『じゃあ、明日はゆっくり起きて…朝飯作ってよ。』

――『いいよ!』


俺に甘えるように抱きついてくる沙和。

俺は沙和の肩にあごを乗せて、ぎゅっと沙和を抱きしめた…





こんな気持ちは

生まれて初めてだ…


胸が締め付けられているのがわかる…

くすぐったいような

苦しいような

圧迫感があって…

ドキドキうるさい…


これを幸せっていうのかな?








――『さて。DVDでも観っか』

――『観よ観よー』

――『なに借りたんだっけ?』

――『クレ○ンしんち○ん』

――『アニメかよ(汗)しかも映画かよっ』


DVDディスクをプレイヤーに入れる。



――『奏みたいな無表情の人は、しんち○ん観て笑った方がいいよ!』

――『アニメで笑うか!』


そんな話をしているうちに、DVDが始まった。

結局‥俺と沙和は、借りてきたDVDを全部観てしまい、気がついたら夜中の2時…

『明日は休むし、まいっか』と言いながら、俺はソファーで、沙和はソファーの下に布団を敷いて眠った。
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