HERO
今目の前にいるこの男が与えるこの感覚を、快感だなんて思いたくなくて。


漏れそうになる声を、唇を噛み締めて堪える。



それに気づいたそいつは、噛み締めていた唇を親指で引っ張り出す。



「駄目だろ、傷がつく」



なんて、くだらない優しさを見せたかと思えば。


自分が着ていたシャツで、私の口を封じた。



この男はそれはそれは何とも最低な奴で。



私が絶頂に達する寸前で、焦らす。


何度も、私をおかしくさせる。



「その目、やばいな」



こんなの狂ってる。


こいつは、狂ってる。



でもきっと私も、狂ってる。
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