HERO
「それ、何?」


そう指差したのは、ティッシュの詰まった段ボール箱。


結局一つも配ってないや。



「え、何これ、君の?」


勝手にティッシュをもらってくれたその男。


これで一つ減ったな。



「便利屋って、何でもしてくれんの?」



男の顔で、目付きで。


どういう意味なのかすぐにわかった。



そうだ。


私は、ブルーなんかとは違う。


あいつとも。



この目の前にいる男とも、違う。



「お金、払ってくれるなら」


「話早いねー、何するかわかってんの?」


「いくら?いくら出してくれんの」



これが、私。


あんな奴らとは違う。
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