HERO
「その怯える姿が、たまらないんだよ、俺を煽る」



その言葉が、もはや人間のものとは思えなくて。


逸らしていた目をそいつにやると、意外にも優しく笑ってた。



それが逆に気味が悪くて、すぐにまた目を逸らした。



「今度は、何を首輪にしようか」



あの時、私が初めてこいつに犯されたとき。


見えない首輪をつけられた。



幸せな家庭を壊したくなければ、俺の言うことを聞けと。


こいつは、初めて会った日にそう言った。



離婚した母に出来た彼氏。


その息子が、こいつだった。



母とその彼氏は結婚することはなかったけど、何度か家に来ていたんだ。


息子のこいつを連れて。
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