HERO
「お前今、どこに住んでる」



駄目だ、これを知られてはいけない。


もし知られたとしたら、何をされるかわからない。



「...どこだっていいでしょ」


まだ声が震える。



絶対にバレちゃいけない。


その恐怖のせいかもしれない。



「聞き捨てならないな。お前にそんなことを言う権利はない」


そう言って、そいつは乱暴にキスをした。



『お前に拒む権利はないんだ、もっと舌、だせよ』


いちいち、思い出す。


昔の地獄。



あの頃、私は全てこの男の言う通りにしてた。


その自分が大嫌いだったはずなのに、今また、あの頃の自分に戻ってる。
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