HERO
「どこに住んでるんだ、答えられない理由でもあるのか」



乱暴なキスを、乱暴に終えたそいつはそう言った。


あるよ、大ありだよ。



「住んでるとこなんてない」


「それで誤魔化せたと思ってるのか」


「ラブホ、毎日違うラブホに泊まってる、別に誤魔化してなんかない」



少し前までの私の生活。


本当にそうだったんだから、何を聞かれてもきっと答えられる。



他の嘘をつくより、何倍も安全。



「へえ。やっぱりお前は、汚れてるんだな」



ケガレテル?


違う、もう、ヨゴレテル。



あんたの支配下にある私は。
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