HERO
「先に行ったらいいよ、俺、後で行くから」



どんだけしょげてんだよ。


ていうか、いつまで勘違いしてるんだろ。



イエローくんはそんなこと全然気にしてないってか、多分全然気づいてなくて。


食べ終えたとーまを、早く行こうと急かしてる。



とーまもとーまで、きっとわんこの様子に気づいてるくせに見て見ぬふり。


誰のせいだと思ってるんだ、こら。



結局、本当に二人はわんこを置いて温泉に向かった。


私とわんこの、二人きりの静まり返った部屋。



先に口を開いたのは、わんこだった。



「美亜さん、とーまのこと...」


「いや、好きじゃないから、ほんと」



だからもう、その目はやめて。
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