HERO
長い、甘いキスの後、もう私は何も言えなかった。


今のキスで全部わんこに持っていかれたんじゃないかって思うくらい。



頭ん中が空っぽで。


でも心の中はいっぱいだった。



わんこの表情が、今までに見たことのないもので。


なんて言うか、わんこじゃないみたいっていうか。



その表情が、私を誘惑するんだ。



「美亜さん...ごめんなさい」



何に対して言ってるのか、何でこのタイミングで謝るのか、全然わからなかったけど。


そんなことを考えさせてくれない、じゃなくて、考えられないのは。



わんこが私の首に顔を埋めて、そこにキスを落とすから。
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