HERO
くすぐったいような、心地いいような、よくわからない感覚。


でも、ちょっと待って。



大事なこと忘れてるんじゃないかな。



ここ、どこだか覚えてる?


そう、ここは素敵な旅館。



誰と来たか覚えてる?


そう、みんなで来た。



普通に考えて、今温泉に行ってる二人が戻ってきたら。


やばい、どころの騒ぎじゃない。



それを思い出して、急に空っぽだった頭の中が働き出す。



「わんこ待って、二人が戻ってくるから...」


「大丈夫」



全然大丈夫じゃないんですけど。


だってもう、わんこの片手が私の服を少し捲ってお腹あたりを指先で触ってる。



全然大丈夫じゃない、私の心臓が。
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