HERO
「すみません、本人には言わない約束だったのに...。どうしても、約束を守れない事情ができてしまって」



本当に申し訳なさそうにそう言うわんこ。


私はまだ、何も理解できてない。



だって、そんなわけない。


この人は私のこと見捨てたんだから。



「こんなところで話してると近所迷惑だから、中入って」


「失礼します」



そう言って入ろうとするわんこ。


私は足が動かなくて、それに気づいたわんこがこっちを見た。



「大丈夫」


そう言って、握っていた手をさらにギュッと握るわんこ。


そうだ、わんこが隣にいてくれるから、大丈夫。
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