HERO
部屋の中は、散らかってるわけでもなければ、そんなにきれいなわけでもなかった。


「どうぞ、座りなさい」



お茶をテーブルに3つ置いて先に座った母。


わんこが座った隣に、恐る恐る私も座った。



「本当に、約束を守れなくてすみませんでした」



頭を下げるわんこが、何だか知らない人みたいで。


早く、帰りたいと思った。



「いいのよ、もう。あなたもしかして、ずっと美亜と一緒にいてくれたの...?」


「はい、傍に置いておきたかったので」



自分で、よろしくお願いしますなんてあやふやな言葉で人任せにしたくせに。


大体、どうしてこの人が、そんなこと頼んだんだろう。
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