HERO
「今更心配なんかされたって、嬉しくも何ともないし。むしろうざったい」


「美亜さん!言い過ぎだって」


「いいのよ別に。この子に何を思われても仕方ないわ。あの頃の私は、おかしかったのよ」



おかしかった?


そうだね、おかしかったよ。



でもそんな一言で済まされる問題じゃない。



私は、離婚して、苦労しても頑張ってた母が好きだったのに。


その母に好きな人ができて、付き合うんだって聞いて、嬉しかったのに。



裏切ったんだよ。



「帰る、ここにいると、イライラする」


「ちょっと待ってよ、美亜さん!」



立ち上がろうとする私の腕を、わんこが掴む。


それさえも、ここではイライラしてしまう。
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