HERO
「痛え...」



そう言いながら、そいつは腰をさすって立ち上がる。



おそらく打ったんだろうけど。



ざまあみろ、変態野郎め。



「何すんだよ、痛えだろ」


いやいや、何すんだよ、はこっちの台詞なんですけど。



少し濡れた、綺麗な金色の髪。


整った顔立ち。



要するに、イケメンなんだけどさ。




まずなんで髪濡れてんだって話だし、お前誰だよって感じだし、この状況の意味がわからないし。



「あんた誰」



そう言ったのは、私じゃなくて、金髪のそいつ。
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