HERO
「セイラ...泣かないで。本当に...ごめんね」


わんこが謝ることなんか、一つもないのに。


本当、ずるい、この人。



どうして戻ってきたの、自分の居場所がないのがわかってるのに。



「泣くぐらいなら...辞めなければよかったのに」


彼女に腹が立ってしょうがなかった。


私が急に発言したことにみんな驚いてたけど、彼女だけは表情が違った。



「何も知らないくせに、口挟まないでよ!」


「知らない、何も知らない。でも、泣くのは卑怯でしょ」


「好きだったのよ!...洋一のことが、好きだったの」



急に弱々しくなる彼女。


わんこのことが、好きだった...?
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