HERO
どうしようもなくて、じっと私を見てくるわんこの視線から目を逸らす。


それを見たわんこは、フッと微笑んだ。



「美亜さん、可愛い」


そう言ってキスをしたわんこ。


駄目だ、わたし、わんこに敵わない。



こんなやつに敵わないのは、多分、わんこが大好きすぎるから。



「ねえ、美亜さん」


「何よ」


「思ってることはね、言わないと伝わらないんだよ」



何それ、好きって言えってことかこら。


偉そうにそんなこと言っちゃってさ。


私はわんこみたいに、そんな簡単に言えないんだから。



だから。


一回しか言わないからよく聞いておいてよね。



「好きすぎて、死にそう」


誰に何を言われても、もう、揺るがない。
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