* 甘々な先輩 *
「前園詩織、経済学部1年。
俺の彼女だから
取んじゃねぇぞ、お前ら」
あ…、この紹介の仕方、
あたしが高1の時に
チャラ男くんに絡まれたときと同じ…。
わかってやってる?
それとも無意識?
……もし、わかってやってるなら
先輩、確信犯だよ。
あたしを、これ以上きゅんって
させないでよぉ…。
「ホラ、詩織も挨拶して」
「あ、前園詩織です…。
いつも先輩がお世話になってます…」
「ぷはっ!先輩って!」
テンションの高い友達は
なぜか“先輩”ってとこに笑い始めた。