AAA~アニマ・アニムス・アニマル

「水飲み場ってのは“バンビ”しか使っちゃならんという取り決めがあるわけでもないだろう?」

「サバンナみたいな弱肉強食の世の中じゃありますが、だからってライオンの狩りをぼけっと見物してられるほどウチは今暇じゃないんで。なぁ、バンビくん?」

「え?」

「はっ。ならオマエはさしずめ“ハイエナ”か」

「“おこぼれ”狙うくらいなら自分で攻めます」

「おい、聞いたか。気をつけろよ? 奴もキミの美尻を狙ってるらしい」

「えっ? ええっ!?」

「はいはい。会議始めますよー」

 慌てふためくバンビをよそに、くるりと踵を返して去っていくハイエナ。

 やれやれ、もうそんな時間か。

 興も削がれてしまったし、さっさと終わらせて今度こそ──

「あ、あの……」

 と、もじもじと身をよじり(コジカはまだ私の腕の中)、潤んだ瞳でこちらを見上げる美尻。

 反射的に舌舐めずりをしそうになるも一応の仕事モードに戻った私はそれを押しとどめ、

「なんだね?」

「そ、その。どうして先輩は、ボクに“チーフ”と呼ばせてくれないんです?」

 疑問というより、少し拗ねたような表情を浮かべる。

 むぅ、会議をボイコットしてしまおうか。

「決まってるじゃないか」

 だが愛しい者からの真摯な質問には淑女らしく答えねばなるまい。

「その方が、萌えるからさ」

「…………」


 ここは下着の企画を手掛ける今はまだ、小さな会社。

 私は日夜格闘する。

 世の男共の尻を、

「あんっ! もう、ダメですってば、先輩」

 この究極の美尻の形にすべからく矯正してしまうために!
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