悪い背中。
 
それからホテルを出た私たちは、素知らぬ顔で出社し、それぞれの仕事に忙殺されることになる。

仕事中、私はよく、特に一晩を過ごした翌日は、彼に出会えたのは運がよかったとつくづく思う。


本当に偶然だったのだ。

たまたま男子更衣室の前を通りかかったとき、たまたま少しだけドアが開いていて、たまたま目をやった先に彼がいた。

彼はインナーシャツを取り替える最中だったらしく、綺麗に筋肉がついた背中を私のほうに向け、最後に頭を通すところだった。

その背中に、私の心は鷲づかみ。


彼はいつも「俺のほうが何番も惚れている」なんて嬉しいことを言ってくれるけれど、それは違う。

私のほうが彼に惚れているのだ。



そんな年下の彼との関係は、まだ社内には秘めごと―…。





-END-
 

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