いきなり王子様
そして私は、竜也の体を抱きしめるようにソファに体を滑り込ませた。
窮屈だけれど、竜也の体温を感じる喜びの方が大きい私にはそんなことは気にならない。
二人の体に毛布をかけ直して、ぎゅっと竜也に寄り添った途端。
竜也の腕が私を引き寄せ、その胸に収めた。
「た、竜也、起きてるの?」
どうにか顔を上げて声をかけても、聞こえてくるのは規則正しい寝息だけ。
どうやら寝ぼけているらしい。
それでも竜也の腕は私を抱きしめたまま離してくれそうもない。
背中に回された温かさが私の体に染み入って、次第に私の瞼も落ちてくる。
着替えもしたいし、夕食の準備もしなくちゃ、と思うけれど眠気には勝てなくて。
少しだけ眠ってもいいか、と体から力を抜いた。
竜也と付き合い初めてから怒涛のようなスピードで関係を深め、展開の速さに自分自身驚き、信じられないけれど。
ただひたすら竜也に惹かれて好きになった私はその展開に必死で応えた。
ずっとフルスピードで走ってきた私達にはゆっくり休む間もなく今日この日を迎えて、ようやく結婚に向けての最初のハードルを越えた。
走って走って、二人の未来の為に頑張ってきたから、たまにはのんびりと、二人で夢を見るのも悪くない。
「ちょっと、休憩しよう」