遺伝子2
――その時
「あっ!!2人み――つけ」
土管の端には、上下逆さまになっている悠斗の顔が有った。
――た……助かった。
俺は慌てて真由美ちゃんから離れ、土管の外に出ていく。
外にでると、待ってましたと言わんばかりに悠斗はニヤニヤしながら立っていた。
「お前ら、何してたんだよ~~」
なんて、マセ小学生みたいな事を言ってくる。
まぁ、俺も相当ませてるけどね。
「別に、何も」
ズボンの砂を叩きながら、何事も無かったかのように悠斗を見ていた。
後から出てきた真由美ちゃんは、俺の横にぴったり立ち様子を伺っている。
内心心臓バクバクで、真由美ちゃんをまともに見れなかったけどね。
「いこ――ぜ」
「ああ」
悠斗の呼びかけに、恥ずかしさと怖さを振り払うかのような感じで悠斗を追いかけ走り出した。
体の異変が気になったものの、そこはまだ小学生。
その後の遊びに夢中になり、夕方頃にはすっかり昼間の出来事を忘れてしまっていた。