遺伝子2

「かずくん!!今日、暇?」

彼女は噂の加奈。
加奈には、かずくんと呼ばれているんだ。

俺は学級委員の為、先生に用事が有って職員室に向かう途中だった。

「うん、暇だけどどうしたの?」

歩きながら話す俺。
歩調を合わせながら、俺の横を歩く加奈。

加奈はもじもじした様子で、俺の耳元で話してきた。


「じゃあ、遊ぼう…2人だけで」


2人だけで?!


「いいけど…」


俺の返事を聞くや否や、嬉しそうに顔をほころばせている加奈。

やっぱり可愛いな。


「他の男子には内緒だよ~~」


そう言ってウインクをすると、加奈は俺の元から手を振りながら走り去っていった。


サラサラと揺れる髪の毛。
俺は加奈の後姿を見ながら、ドクンと心臓が脈打つ感覚を覚えた。


それはてっきり、加奈への恋心だと思っていたのだが……


後になって、それが違うものだと知ってしまった。
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